東日本大震災復興祈念大会
東日本大震災復興祈念大会
平成24年10月18日 宮城・松島にて開催
開会宣言
ご祝辞
- 前国土交通大臣 参議院議員
- 前田武志 先生
- 復興大臣政務官 衆議院議員
- 群 和子 先生
- 国土交通省住宅局住宅生産課木造住宅復興室長
- 加古きいちろ 様
- 宮城県知事
- 村井嘉弘 様
- 松島町長代理 企画調整課長
- 亀井 純 様
ご来賓紹介
- 前国土交通大臣 参議院議員
- 前田武志 先生
- 復興大臣政務官 衆議院議員
- 群 和子 先生
- 国土交通省住宅局住宅生産課木造住宅復興室長
- 加古きいちろ 様
- 宮城県土木部住宅課技術補佐
- 小野寺邦之 様
- 宮城県農林水産部林業復興課 技術副参事
- 高橋牡輔 様
- 仙台市長 代理 復興事務局復興事業監
- 鈴木三津也 様
- 松島市長 代理 企画調整課長
- 亀井 純 様
- 社団法人日本建築士会連合会長 代理
- 大倉靖彦 様
- 独立行政法人住宅金融支援機構
- 山品一清 様
- 独立行政法人UR都市機構 宮城福島震災復興支援局 次長
- 池田 貢 様
- 独立行政法人建築研究所 住宅都市研究グループ 上席研究員
- 岩田 司 様
- 公益社団法人宮城県建築士会 会長代理 副会長
- 中居浩二 様
- 社団法人宮城県建築士事務所協会 会長
- 栗原憲昭 様
- 社団法人日本建築家協会 東北志部長
- 渡邉 宏 様
- 一般財団法人宮城県建築住宅センター 理事長
- 三部佳英 様
- 社団法人みやぎ中小建設業協会 会長
- 畑中孝治 様
- 宮城県建設組合連合会 会長
- 池田康明 様
- 宮城県木材協同組合 専務理事
- 畠山一雄 様
- 住宅保証機構株式会社 取締役副社長
- 能登義春 様
- 株式会社日本木造住宅保証機構 常務取締役
- 平井正春 様
東日本大震災復興祈念大会参加団体一覧(敬称略)
社団法人宮崎県建築業協会、一般社団法人熊本県優良住宅協会、一般社団法人愛媛県中小建築業協会、一般社団法人香川県総合建設センター、広島県工務店協会、岐阜県産直住宅協会、愛知県建設組合連合会、富山県優良住宅協会、社団法人新潟県建築組合連合会、千葉県中小建築工事業協会、茨城県中小建築工事業協会、山形県優良住宅協会、秋田県建設技能組合連合会、岩手県中小建築業協会、青森県優良住宅協会、一般社団法人北海道建築工事業組合連合会、宮城県優良住宅協会、社団法人宮城県建築士事務所協会有志、地域優良住宅在来工法の会有志、福島県優良住宅協会有志、ロケットハウジングシステム協会、独立行政法人住宅金融支援機構東北支店、社団法人宮城県建築住宅センター、住宅保証機構株式会社、株式会社日本住宅保証機構、ジューテックホールディングス株式会社、株式会社仙建、株式会社グリーンハウザー、株式会社ウッドワン、アルタスエヴァ株式会社、東北資材工業株式会社
基調講演「持続可能なまちづくり」
- 都市計画家
- 西郷真理子 先生
メッセージ
- 東京大学名誉教授
- 内田 祥哉 先生
災害時相互支援協定締結式
(一社)北海道建築工事業組合連合会・青森県優良住宅協会・岩手県中小建築業協会・宮城県優良住宅協会・秋田県建設技能組合連合会・山形県優良住宅協会・茨城県中小建築工事業協会
決意表明(演説内容全文)
只今、東日本を中心とした各団体による、「災害時相互支援に関する協定」を、滞りなく締結致しました。被災地の真っ只中に身をおく地域工務店といたしましては、被災家屋の改修や建築の要望に、応えきれていないという実状に直面しております。そのジレンマを抱えながらも、可能な限りを尽くし、努力している私どもにとりまして、この協定はほんとうに心強く感じているところでございます。
今回は間に合わなかったものの、協定を希望する友好団体も多々あり、今後もこの協定に加わっていただける「同志」が増えていくことを願っている次第です。
あの日から、今日で「587日」「14,081時間」が過ぎようとしています。亡くなられた方々は「15,871名」におよび、「2,778名」の方々は、いまだ行方がわかりません。全壊した建物は「129,574戸」、半壊は「266,011戸」にのぼります。約40万戸近くの家が、一瞬にして破壊されてしまったのです。途方もない「数」です。まさに未曾有の大災害でした。
しかし、このような「数字」をいくら並べても、積み重ねても、あの日、あの時の「現実」に迫ることは、とてもできないのです。
失われたものは、「形」があり、「数値」で表されるものばかりではないのです。「記憶」「想いで」「笑顔」「言葉のひびき」…。
あの震災が私たちから奪い去ったものは、あまりに深い悲しみに満ちあふれているのです。
震災直後のあの大混乱の中、身内、友人、知人の安否がわからず、無事であれと心から願い、祈り続け、仕事がら家屋の損壊を気遣い、握り飯を抱えながら動き回っていた、「あの頃」のことは、落ち着きを取り戻しつつある今もなお、まるで、昨日のことのような気がし、脳裏から離れることはありません。
平静さを装っていても、あの出来事を影のように引きずりながら、みなが必死に生きている、私にはそう思えてならないのです。
だからこそ、大津波により全てを失い、愛する家族をも失って、不自由な仮設住宅での生活を余儀なくされている、多くの被災者の方々の事を思うと、早く何とかしなければと、焦りの気持ちを抑えることはできません。
ほんとうに、心が痛むのです…。
しかし、あらゆる関係省庁、自治体、そして関連業界が復興へ向けて懸命に努力しているところであります。我々地域に根ざした建築工事業者も、その一助となるべく、「いままでも」、「現在(いま)も」、そして「これからも」、その全力をあげて復興事業に取り組む決意です。
ここにお集まりいただいた「みなさまの力」を、「心」を、ひとつに「結集」することができれば、被災された方々が日常の生活を取り戻していただく日も、そう遠くないものと、私は信じております。
この間、全国の方々から多くの御支援をいただいてまいりました。被災した県や市や町の行政機関には、全国の自治体から職員を派遣していただいておりますし、復旧・復興の事業には、あらゆる業界関係者から多くの人材・物資の応援をいただいてまいりました。我々の仲間である、全国の友好団体の方々からも、さまざまな形で御支援をいただいてまいりました。
ここに改めて、深く、心より感謝申し上げる次第でございます。
その一部、一例を報告させて頂きますと、本日御参加をいただいております 「熊本県優良住宅協会様」には、会員の皆様が中心となり、実に数千万円にも及ぶ義援金を宮城県へ贈っていただきました。
更には、地域コミュニティーの場として「みんなの家」と名づけた施設を、仙台市宮城野区に木造で建設され、被災地へのすばらしい贈りものとして、贈呈していただきました。お金や資材だけでなく、熊本の職人の方々が、被災地復興のために派遣され、多くの汗を流していただきました。
この大会にご参加していただく予定であった、熊本県優良住宅協会理事長の福永様は、春先の大洪水の被害にみまわれた阿蘇地方の復旧・復興に、仮設住宅建設を中心に貢献されたことに対し、熊本県知事よりの表彰式出席のため、本日は欠席されておりますが、地域の業界団体として常に前向きに行動し、社会貢献されている積極的な活動に対し、心からの敬意を表させていただくと同時に、我々も見習っていきたいものであると、強く感じる次第であります。
今回のような災害が、いつ、何処で、どのような形で、ふたたび大自然の脅威にさらされるのか、私にはまったく想像もできないことですし、あまり想像したくもありません。
しかし、私たちは「住宅」という人間社会にとって欠くことのできない、大切なものを生み出す産業に携わっているのです。その「社会的責任」を誠実に果たすべく、できうる限りの備えを整えてゆく、また、被災した当事者として語り継いでゆく、それが我々の「責務」ではないかと痛感しております。
明日は、被災地を視察される方も多いと存じますが、現在、現地はすでに草木に覆われ、原野と化している所が多く残っております。一瞬にして消え去った、あの町や村が、5年後、10年後、どう「復興」し、どう「再生」されていくのかを、ともに見守り、検証し続けていただければと思います。
大会式次第の表紙の写真は、岩手県陸前高田市を襲った、あの大津波に耐え残った松の木です。私たちは未来への「希望」をこめて、「奇跡の一本松」と呼んできました。傷ついた人々の、心のよりどころになったのです。私たちは、「奇跡」を、信じたのです。
この度の事態は、ともすればバラバラであった、私たち木造住宅業界にとって、新たに「ともにある」という意識の創造をもたらし、希薄になりがちだった、人と人との「絆」を深める契機になったといえるのかもしれません。
「つらいけど、頑張ろうや!」という、なにげないひと言に、どれだけの救いと勇気をもらったことか…。そのひと言が、やがては「希望」となり、そこから「奇跡」が生み出されるのではないでしょうか。
さらに申し上げれば、今後の復興事業での連携にとどまることなく、私たちの繋がりが、「人を守り、家を守り、街を守り、山を守り、そして心をこめて職人・技能者を守り育てる」という、木造住宅建築業にとっての「普遍的な課題」をともに担い、ここにお集まりの全国の友好団体同志の方々と、一致して行動できるような、「強い絆」となるよう、大切に育んでいきたいと、心から、心の底から、願い祈るものであります。
奈良の法隆寺を守り続ける「法隆寺大工」には、えにしから受け継がれる「唄(うた)」があり、そこには次のような言葉が、紡(つむ)がれているのです。
塔組みは、木組み
木組みは、人組み
人組みは、人のこころ組み
私たちの仕事、そのすべてが、「人のこころ組み」に通じるものであり、それが「原点」なのだ、と大先達たちが、私たちに教え続けてくれている、そのように思えてならないのです。
ここにお集まりいただいたみなさまと、同じ意識を共有していくことができるなら、真に「こころ組み」がなされるのなら、この復興祈念大会が、私たちとってたいへん意義深いものになると、私は、確信しております。
最後になりましたが、本日大変お忙しい中ご来席を賜り、ご来賓のみなさま方には、心より感謝申し上げる次第でございます。誠にありがとうございました。
また、ご出席を頂いております全国の友好団体会員のみなさまへ、心より、感謝と御礼を申し上げ、終わりの挨拶とさせて頂きます。
ほんとうに、ありがとうございました。
平成24年10月18日
宮城県優良住宅協会 会長 小野寺 毅
(現JQHA会長)